組版データ内の文字・画像・装飾情報を抽出し、
設問や資料ごとに整理した構造化データへ変換。
Web教材として再利用できる形まで展開しました。
はじめに
InDesignで作成された紙面データは、そのまま印刷物として利用するには適していますが、Web教材やデジタル教材として再利用する場合には、テキストや画像、設問のまとまりを整理し直す必要があります。
今回は、架空の組版データをサンプルとして用意し、組版データから教材の内容を構造化データとして取り出す試みを行いました。
教材紙面を構造化データへ
サンプルとして、小中学生向けの社会科ワークの見開き紙面を作成しました。

紙面には、リード文、基本語句の確認、図版を使った設問、資料カード、まとめ問題、チェック項目などが配置されています。また、青文字・下線・太字といった文字スタイルも使用されています。

これらを単なるテキストの羅列ではなく、次のような形で整理しました。
- 単元名やページ情報
- リード文
- 設問ごとの本文
- 選択肢
- 関連する図版・画像ファイル名
- 青文字、下線、太字などの装飾情報
- 重要語句チェックや振り返り項目
このように、紙面上では見た目として配置されている情報を、Webやシステムで扱いやすいJSON形式のデータに変換しています。

段落スタイルから要素を分け、適用されている文字スタイルに応じてタグ付けも行うことが可能です。

JSONを確認しやすく表示
構造化したJSONデータは、そのままでは内容を確認しづらいため、確認用のWeb画面も作成しました。
この画面では、抽出されたテキスト、画像、設問、文字スタイルのタグなどを見やすく表示しています。たとえば、青文字や下線が設定されていた箇所は、Web上でも同じように強調して確認できます。

この画面から、組版データから以下のような情報が取り出せていることを確認できます。
- 設問ごとのまとまり
- 資料カードと画像の対応
- 図版と設問の関連
- 文字スタイルをもとにしたタグ情報
- チェック項目や記入欄の情報
文字スタイルもタグとして保持
今回のサンプルでは、InDesign上で設定されている文字スタイルを、構造化データ内のタグとして保持しています。
たとえば、次のような対応です。
- 青文字 → 重要語句やキーワード
- 下線 → 注目させたい箇所
- 太字 → 選択肢の記号など
これにより、単に文字を取り出すだけでなく、「どの部分を強調していたか」もデータとして残すことができます。
紙面上の見た目に含まれている意味を、Webやデジタル教材でも活用できる形に変換することが可能です。
Web教材への活用例
今回は活用例として、組版データから取得したJSONデータをもとにWebドリル画面を作成しました。

紙面とまったく同じレイアウトにするのではなく、Web上で学習しやすいように、入力欄、選択肢、採点ボタン、進捗表示などを加えています。
このWebドリルでは、基本語句の入力問題や選択問題を自動採点できるようにしています。また、記述問題については、入力済みかどうかを確認できるようにしています。


スマートフォンやタブレットでの学習環境にも対応可能です。
まとめ
教材やドリル、ワークブックなどの紙面データは、学習内容や設問、図版、資料、解説などが整理された大切な情報資産です。
一方で、印刷用の組版データのままでは、Web教材や学習アプリ、データベースなどへ展開する際に、内容をそのまま再利用しにくい場合があります。
今回のように、紙面内の文字列、画像、設問のまとまり、文字スタイルなどを構造化データとして整理することで、既存の教材データをデジタル教材へ展開しやすくなります。
紙面制作のために作成したデータを活かしながら、確認用のWeb表示や、入力・採点機能を備えたWebドリルなど、用途に応じた形へ発展させることができます。
本記事で紹介した取り組みは、当社の「データ加工×ビジュアル化 支援サービス」の一例です。
教材データの整理・構造化、画像やテキストのひも付け、Web教材化、デジタルコンテンツとしての見せ方の設計など、資料の内容や目的に応じてさまざまな応用が可能です。
教材に限らず、既存の紙面データを、より活用しやすいデジタルコンテンツとして展開したい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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