大量の画像データを、探しやすく使いやすい素材データベースへ

AI活用・生成技術

AIを活用して画像素材にタグを付与することで
カテゴリ・キーワードから探せる画像データベースとして整理し、
制作や広報、Web運用などで再利用しやすい情報資産へ変換します。

はじめに

 出版物の制作やWebサイト運用においては、日々多くの画像データを扱います。
 商品写真、人物写真、風景写真、教材用素材、施設写真、イベント写真など、画像の種類が増えるほど、必要な素材を探す作業に時間がかかるようになります。

 たとえば、過去に使用した写真をもう一度使いたい、特定のテーマに合う画像を探したい、人物が写っている画像だけを抽出したい、自然風景や医療・教育系の画像をまとめて確認したい、といった場面があります。

 しかし、画像ファイルがフォルダごとに保管されているだけでは、ファイル名や保存場所に頼って探すことになります。
 その結果、「どこに保存したかわからない」「似たような画像が多くて選びにくい」「画像の内容を見ないと判断できない」といった問題が起こりやすくなります。

 また、画像は文章データと違い、ファイルそのものだけでは検索対象になりにくい情報です。
 人が見れば内容を判断できますが、システム上で検索・分類・再利用するためには、画像の内容を言葉のデータとして持たせる必要があります。

 そこで今回は、大量の画像データに対してタグ付け・分類を行い、検索しやすい画像データベースとして管理するサンプルを作成しました。

 今回作成したサンプルデータベースは下記から確認出来ます。

画像を「検索できるデータ」として整理する

 今回のサンプルでは、画像ごとに次のような情報を持たせています。

  • 画像名
  • 識別番号
  • カテゴリ
  • タグ
  • 説明文
  • AI信頼度(AIによるタグ付け結果の参考値)
  • 一覧表示用サムネイル
  • 詳細表示用画像
  • 元画像

 画像ファイルをそのまま並べるだけではなく、画像の中に写っている被写体、場面、用途、雰囲気をテキスト情報として整理します。

 たとえば、羊の写真であれば「動物」「羊」「白背景」「家畜」「牧場」などのタグを付与します。
 キャンプの写真であれば「アウトドア」「キャンプ」「家族」「テント」「レジャー」などのタグを付与します。
 医療現場の写真であれば「医療」「医師」「服薬指導」「薬」「診察」などのタグを付与します。

 このように画像の内容を言語化しておくことで、あとから「海」「医療」「キャンプ」「ビジネス」「住宅」などのキーワードで検索できるようになります。

AIによるタグ付けと、人の目による確認

 今回の取り組みでは、AIを活用したタグ付けを想定しています。
 画像を解析し、写っているものや場面に応じて、候補となるタグや説明文を付与します。

 AIを使うことで、大量の画像に対して一定のルールでタグを付けることができます。
 画像点数が多い場合、すべてを人の手で確認しながら分類するには大きな手間がかかりますが、AIによる初期分類を活用することで、整理作業の負荷を下げることができます。

 一方で、実際の運用ではAIの判断だけに任せるのではなく、人の目による確認や修正も重要です。

 同じ人物写真でも、用途によっては「ビジネス」「管理職」「ポートレート」「会議」「採用」など、付けたいタグが変わります。
 また、画像としては正しく認識できていても、社内での使い方やコンテンツ制作上の目的に合わせて、タグの粒度を調整したい場合もあります。

 AIによる自動分類を出発点にしながら、人の目で確認・補正することで、実際に使いやすい画像データベースに近づけることができます。

カテゴリとタグで探しやすくする

 今回のサンプルでは、画像を大まかなカテゴリに分類しています。

 カテゴリ例としては、以下のようなものがあります。

  • ビジネス・人物
  • 医療・福祉
  • 教育・研究
  • アウトドア・スポーツ
  • 旅行・風景
  • 住まい・不動産
  • 製造・物流
  • 農業・食品
  • 公共・地域
  • 法務・金融
  • 制作・文化

 カテゴリを持たせることで、キーワード検索だけでなく「分類から探す」導線を作ることができます。

 画像素材を探す際には、最初から具体的なキーワードが決まっていないこともあります。
 そのような場合でも、カテゴリから一覧を見ていくことで、目的に近い素材へたどり着きやすくなります。

 また、タグはカテゴリよりも細かい情報として扱います。


 たとえば「旅行・風景」というカテゴリの中でも、「」「港町」「雪山」「旧市街」「世界遺産」「南国」などのタグを付けることで、より具体的な絞り込みができます。

検索対象を広げる

 画像データベース化するメリットのひとつが、検索機能です。

 今回のサンプルでは、画像名、タグ、説明文、識別番号などを検索対象にしています。
 たとえば「」と検索すれば、ビーチ、南国、港町、海岸などに関連する画像を探せます。
医療」と検索すれば、医師、薬、服薬指導、診察などの画像を探せます。

 画像名だけを検索対象にすると、登録時に付けた名前に依存してしまいます
 しかし、タグや説明文も検索対象に含めることで、画像名には含まれていない要素からも画像を探せるようになります。

 また、表記ゆれにも対応できるようにしています。
 たとえば「アウトドア」だけでなく「あうとどあ」、「」だけでなく「summer」といった入力でも、関連する画像にたどり着きやすくする想定です。

 利用者が必ずしも登録されたタグと同じ言葉で検索をかけるとは限りません。
 そのため、検索語の表記ゆれや言い換えを吸収することで、より使いやすいデータベースになります。

一覧は軽く、詳細はしっかり確認できるように

 画像データベースでは、表示速度も重要です。

 元画像をそのまま一覧画面に表示すると、画像点数が増えたときにページが重くなります。
 特に高解像度の写真素材を大量に扱う場合、一覧表示のたびに元画像を読み込む構成では、動作が重くなりやすくなります。

 そこで今回のサンプルでは、一覧表示には軽量なサムネイル画像を使用しています。
画像カードではサムネイルを表示し、必要な画像を選択したときに詳細情報を確認できる構成にしました。

 詳細表示では、画像名、識別番号、タグ、説明文などを確認でき、画像を大きく確認したい場合には、拡大表示で元画像に近いサイズの画像を表示します。

ブックマークと閲覧履歴

 素材選定では、画像を一度見て終わりではなく、複数の候補を比較しながら選ぶことが多くあります。

 今回のサンプルでは、気になった画像をブックマークできる機能を用意しています。
 候補になりそうな素材を一時的に保存しておくことで、あとからまとめて確認できます。

 また、閲覧履歴も用意しているため、直前に見た画像へ戻りたい場合や、比較中に前の候補を再確認したい場合に役立ちます。

 こうした機能は小さなものですが、実際の素材選定の流れに近い操作を行うためには重要です。
 単に画像を一覧で並べるだけでなく、探す、比べる、戻る、保存する、といった行動を支えることで、より実用的な画像管理システムになります。

管理画面で情報を編集できる構成

 サンプルでは、管理者ページも用意しています。

 管理者ページでは、登録済み画像の画像名タグ説明文などを編集できるようにしています。
 また、登録順、名前順、AI信頼度順で並び替えられるようにし、画像情報を確認しながら管理できる構成にしています。

 新しい画像を追加する場合は、元画像を添付し、画像名、タグ、説明文を入力して登録します。


 登録時には、一覧用サムネイルや詳細表示用画像を自動生成する仕様になっています。

 今回のサンプルは、ブラウザ上で動作を確認できるデモとして作成しています。
 本番運用では、サーバー側の管理機能や認証機能を組み合わせ、管理者だけが画像情報を追加・編集できる構成にする想定です。

スマートフォンでの閲覧にも対応

 画像データベースは、PCだけでなくスマートフォンからも確認できることが重要です。

 今回のサンプルでは、画面幅に応じてヘッダー、検索、カテゴリ、タグ一覧、画像カードの表示が切り替わるように調整しています。

 外出先や打ち合わせ中に素材を確認したい場合でも、スマートフォンから画像を探せるようにすることで、利用場面が広がります。

静的サイトとして公開できる形も想定

 今回のサンプルは、FTPサーバーへアップロードして公開できる静的サイトとして動作する構成を想定しています。

 HTML、CSS、JavaScript、画像ファイル、JSONデータなどを配置すれば、サーバー側に特別なシステムを用意しなくても閲覧用の画像データベースとして公開できます。

 一方で、管理画面からの本格的な登録編集削除複数人での運用ログイン管理権限管理などを行う場合は、サーバー側の仕組みが必要になります。

 用途に応じて、まずは静的な画像データベースとして構築し、必要に応じて管理機能や検索APIを追加していくことも可能です。

さいごに

 画像素材は、制作や広報、営業資料、Webサイト、教材、マニュアルなど、さまざまな場面で繰り返し利用される情報資産です。

 しかし、画像ファイルをフォルダに保管しているだけでは、必要な素材を探すのに時間がかかったり、過去に取得した素材を十分に活用できなかったりします。

 画像にタグカテゴリ説明文などの情報を付与し、Webデータベースとして整理することで、次のような活用が可能になります。

  • 画像をキーワードで検索しやすくする
  • カテゴリ別に画像を一覧できるようにする
  • タグから関連画像を探せるようにする
  • 画像の内容を説明文として確認できるようにする
  • 大量の画像を軽量なサムネイルで一覧表示する
  • 必要な画像だけを詳細表示で確認する
  • 候補画像をブックマークして比較する
  • 閲覧履歴から前に見た画像へ戻る
  • 管理画面で画像情報を修正・追加する
  • 保有している画像素材を再利用しやすくする

 本記事で紹介した取り組みは、当社の「データ加工×ビジュアル化 支援サービス」の一例です。

  画像データの整理、AIを活用したタグ付け、検索用データの作成、管理画面の設計など、保有している素材や運用目的に応じて、さまざまな形でご支援できます。

 当社は、大量の画像素材を「探しやすく、使いやすい情報資産」として活用できるデータベースを構築することが可能です。
 ぜひお気軽にご相談ください。

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