当社技師 vs AI|デザイン制作の検証

AI活用・生成技術

書籍の装丁デザインを題材に、
当社デザイナーとAI技術によるデザイン制作を比較しました。
同じ書籍情報と条件から生まれる表現の違いを通して、
AIを活用したデザイン出しの可能性と課題を検証します。

第2ラウンド:デザイン対決(装丁デザイン)

 第2ラウンドでは、書籍の装丁デザインをテーマに検証を行いました。
 当社デザイナーとAI技術が、同じ架空書籍の情報とデザイン条件をもとに、それぞれ装丁デザインを作成しています。

検証に使用した書籍情報とデザイン条件

今回の検証では、以下の架空書籍を設定しました。

【書籍情報】
・タイトル:起業成長の方程式
・サブタイトル:小さな事業を“スケールする会社”へ変える思考法
・著者:桐生 俊介
・著者肩書き:スタートアップ経営者/事業成長アドバイザー
・出版社名:未来創社
・ジャンル:ビジネス・自己啓発系書籍
・判型:127 × 188 mm(四六判)
・読者ターゲット:30歳〜60歳のビジネスマン(男性多め)

【デザイン方向性】
・トレンド感がありつつ、シンプルなデザイン
・スタイリッシュだが難しすぎず、比較的楽に読めそうな印象
・現代の読者の購買意欲を意識
・キーワード:ポジティブ/冷静/少しChill

デザイン結果 

・当社デザイナーが制作

・AI技術を使用して制作

  当社デザイナーによる装丁デザインは、白を基調とした構成で、タイトルの視認性が高く、国内のビジネス書として馴染みのある安定感のある仕上がりとなりました。
 情報の整理や余白の使い方も分かりやすく、書店に並んだ際の想定がしやすいデザインです。

 一方、AI技術による装丁デザインは、グラフィカルな要素が強く、ビジュアルとしてのインパクトやトレンド感を感じさせる仕上がりとなりました。
 色やモチーフの使い方は目を引く一方で、日本のビジネス書で多く見られる「白背景に大きくタイトルを配置する」ような定番の構成は出しづらく、やや海外向けやデザイン性重視の印象を受けます。

AIによるデザイン作成工程

 AIによるデザイン案の作成には、ChatGPTを使用しました。
 事前に用意した書籍情報やデザイン方向性をプロンプトとして入力し、複数の装丁デザイン案を生成しています。
 デザイン案は数分で複数パターンが出力され、アイデア出しのスピードという点では非常に有効だと感じられました。

判型についても完全に正確ではないものの、おおよその比率は問題なく再現されています。

 ただし、生成されたデザインでは、文字が大きく崩れている箇所が見られました。
 AIは日本語を「書体」としてではなく「画像」として認識しているため、生成された文字と同一の書体は存在せず、そのまま使用することはできません。

そのため、文字部分は一度削除し、InDesign上で近い書体を選定して文字を置き直す対応を行いました。

所要時間の比較

今回の装丁デザイン制作における所要時間は、以下の通りです。
・デザイナー:1.5時間
・AI技術: 1時間
デザイン案の生成自体はAI技術のほうが短時間で行えましたが、
文字の調整や最終的な仕上げには人の手が必要となっています。

第2ラウンドのまとめ

 装丁デザインの検証では、短時間で複数のデザイン案を出すという点において、AI技術は有効であることが分かりました。
 アイデア出しや方向性検討の初期段階では、大きな助けとなりそうです。

 一方で、日本のビジネス書で多く見られるような、白背景を基調とした洗練された定番デザインや、文字組みの精度が求められる装丁については、
 現時点では人の手による調整が不可欠だと感じられました。

 デザイン分野においては、AI技術を「デザイン案を広げるためのツール」として活用し、最終的な判断や仕上げは人が行うという使い分けが、現実的な選択肢になりそうです。

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