専門知識ゼロで動画が作成できるアプリ4選

動画・アニメーション

これまで動画制作には専門的な知識やソフトが必要でしたが、
現在、初心者でも短時間で動画を作成できる環境が整ってきています。
今回は無料で使えるおすすめの動画制作ツールを紹介いたします。

 近ごろ、SNSやオンライン広報の現場では、短い動画コンテンツのニーズがますます高まっています。
 以前は、動画を作るには専門的な編集スキルや高価なソフトが必要でしたが、今ではテンプレートや自動編集機能が充実した便利なサービスが広く普及し、デザイナーでなくても気軽に実用的な動画が作れるようになってきました。
 この記事では、特にユーザー数が多く、しかも無料で始められる人気の動画制作ツールを4つご紹介します。
 機能や操作感、使えるデバイスなど、それぞれの特徴をわかりやすく解説いたします。
 これから動画づくりを始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

CapCut

基本情報

対応デバイス:iOS・Android、Windows/Mac
料金形態:基本機能は無料で利用可能。有料版「CapCut Pro」では追加のテンプレート・エフェクト・フォント・高解像度書き出しが提供される。
主な用途:SNS向けの短尺動画制作(TikTok、Instagram Reels、YouTube Shortsなど)。個人利用から企業の広報・マーケティング動画まで幅広く利用されている。

特徴

・豊富なテンプレートやエフェクトにより、初心者でも短時間で完成度の高い動画を作成できる。
・自動字幕生成や背景除去などのAI機能を無料範囲でも利用可能。
・SNSプラットフォームに最適化された縦型動画をスムーズに出力できる。 

 CapCutの基本操作はきわめてシンプルで、素材をインポートし、タイムライン上に配置して調整するという流れが直感的に行えます。ドラッグ&ドロップを中心としたUI設計のため、初心者でも短時間で基本的な編集手順を身に付けることが出来ます。

 さらに、ツールバーから多様な編集機能を追加できる点も特徴です。具体的には、エフェクトやフィルターによる映像加工、テキストやスタンプの挿入、BGMや効果音の追加などがワンクリックで実行可能です。これにより、単なるカット編集にとどまらず、SNS向けに視覚的なインパクトを持つ動画を容易に仕上げることができます。

主要な編集機能をいくつか紹介します。

オーディオ機能

 ライブラリからテンプレート音源を選択し、動画にBGMとして追加することが可能です。ジャンルはポップスやエレクトロニカ、クラシック調など幅広く、SNS動画に適した短尺のトラックも多数用意されています。さらに、効果音などの挿入も容易で、映像の内容や雰囲気に応じて柔軟に音響演出を加えることができます。

エフェクト機能

 多様なエフェクトを動画に適用することができます。カラー調整や光の演出、モーション効果など、映像の印象を大きく変える加工がワンクリックで実行可能です。特にSNSで用いられるトレンド系の演出が豊富に揃っており、動画に動きや雰囲気を加えることで視聴者の注目を引きやすくなります。エフェクトは直感的に適用・調整できるため、初心者でも試行錯誤しながら効果的な映像表現を実現できます。

テンプレート機能

 CapCutには、あらかじめエフェクトや音楽が組み込まれた編集用のひな形が多数用意されています。
 ユーザーは自分の動画や画像素材を差し替えるだけで完成度の高い作品を短時間で仕上げることができます。テンプレートはSNS向けの縦型動画から、商品紹介や自己紹介用のクリップまで幅広く提供されており、初心者でも手軽に「流行に合った動画表現」を実現できる点が大きな強みです。

CapCutまとめ

 CapCutは、初心者がSNS向け動画を効率的に制作する上で特に有効なツールといえます。

・操作の容易さ
 →素材のインポートから編集、書き出しまでが直感的に行え、学習コストが低い。
・SNSとの親和性
 →TikTokやInstagram、YouTube Shortsなど主要プラットフォームに適したフォーマットを備えており、動画の公開までスムーズに完結できる。

Canva

基本情報

対応デバイス:iOS/Android、Webブラウザ
料金形態:基本機能は無料。有料版(Canva Pro)ではブランドキット、追加素材などが利用可能。
主な用途:プレゼンテーション、教育・研修資料、商品やサービスの紹介映像。

特徴

 Canvaの動画編集は、何よりブラウザ上で即座に作業を始められる軽快さが大きな魅力です。ソフトのインストールや複雑な初期設定は不要で、Webにアクセスすればすぐに編集を開始できます。直感的な操作に加え、数多くのデザインテンプレートやストック素材を利用できるため、短時間で完成度の高い映像を仕上げられます。
 また、Canvaで作成したデザインををそのまま動画に適用できる点も特徴的で、画像制作と動画制作を同じ感覚で進められるのはCanvaならではの強みです。

 基本的な操作フローは、Canvaでのデザイン制作と共通する部分が多いです。そのため、既にCanvaを利用しているユーザーにとっては、動画編集に移行した際も学習コストが低く、感覚的に操作を進められる点が特徴といえます。
 特に、ドラッグ&ドロップによる素材の配置やテキスト編集の操作感は画像制作とほぼ同一であり、既存の操作習慣をそのまま活用できる仕様になっています。 

 テキストテンプレートも豊富に用意されており、利用できる素材は全体的にデザイン性を重視したものが多いと感じられます。フォントや装飾のバリエーションも幅広く、SNS投稿やプレゼンテーション用に適した「見栄えの良さ」を短時間で実現できる点が特徴です。

 また、ベースとなる動画そのもののバリエーションも広く提供されており、用途に応じて多様なシーンを選択できます。ストック動画や写真素材、グラフィック要素が統合されているため、外部サービスに依存せずCanva内で完結できる点も大きな利点です。これにより、追加の素材調達に時間を割くことなく、企画から仕上げまでを効率的に進めることができます。

 さらに、プロンプトを入力することでAIが自動的に文章を生成する「マジック作文」機能も搭載されており、デザイン編集時と同様に動画制作においても活用できます。特に、テロップ用の説明文や短いキャッチコピーを効率的に作成できるため、映像とテキストを一体的に仕上げるワークフローを構築できます。

Canvaまとめ

・ブラウザ上で作業が完結
 →インストール不要でWebからすぐに編集でき、環境を問わず短時間で制作に着手できます。
・豊富な素材ライブラリ
 →ストック動画や写真、グラフィック要素が統合されており、外部サービスに依存せずCanva内で完結します。
・チーム利用に強み
 →クラウドベースでの共同編集が可能で、広報やマーケティングチームの共同作業に適しています。

Vrew

基本情報

対応デバイス:Windows/Mac、Webブラウザ版
料金形態:基本機能は無料。有料プランで追加機能が利用可能。
主な用途:講義・解説動画、字幕付きコンテンツ、教育用コンテンツの制作。

特徴

・文字起こしや台本を基に編集でき、不要なテキストを削除すると映像や音声も同時にカットされるため効率的で、テキスト編集感覚の動画制作が可能です。
・日本語対応の強みとして、文字起こし精度が高く、日本語ナレーションや字幕作成にも適しています。
・AI機能の活用では、自動翻訳やAIナレーション音声、台本生成など言語処理に関する機能が充実しています。

「テキストから動画を作成」機能

Vrewの大きな特徴の一つが、テキスト入力を起点に動画を自動生成できることです。

あらかじめ用意された「ドキュメンタリー風」「ニュース風」「教育コンテンツ風」などのスタイルを選択可能で、用途に合わせて仕上がりを切り替えられます。

テキスト台本には「手動で文章を入力する」「AIで文章を生成する」二通りの方法があります。
今回は、テーマを指定してAIに文章生成も行ってもらいます。
有料プランではプロンプトを細かく指定でき、口調やニュアンスを調整できます。

生成された台本

作成した文章はナレーションとして読み上げられます。
音声モデルは複数用意されており、有料プランならさらにバリエーションが増えます。

入力した台本の内容に応じて、AIが画像や動画素材をライブラリから自動的に割り当てます。また、AI生成した画像を使用することも可能です。

処理が終わると動画が確認出来るようになります。
4分程の動画が、テーマを入力しただけで数分以内に完成した点は非常に効率的でした。

・シーン単位で素材を交換
・ナレーション音声の切り取り・結合
・字幕の自動生成と修正
これらの操作により、細部の調整も柔軟に行えます。

Vrewまとめ

・日本語の文字起こし・字幕生成に強い
 →日本語音声を高精度で認識し、自動で文字起こしと字幕を生成できます。手作業で多くの時間がかかっていた工程を省けるため、教育動画や講義記録の効率化に直結します。
・テキスト台本から映像を自動生成できる
 →文章を入力するだけで映像や画像素材が割り当てられ、ニュース風やドキュメンタリー風などのスタイルを選べます。ゼロから編集構成を考える負担を減らし、誰でも完成度の高い動画を作れます。
・AIナレーションによる効率化
 →生成した文章を自動で読み上げ、複数の音声モデルを選択可能です。原稿と音声を同時に用意できるため、ナレーターを用意する手間を省き、短時間で視聴に耐える映像に仕上げられます。

FlexClip

基本情報

対応デバイス:Webブラウザ
料金形態:無料プランあり。有料プランでは高解像度書き出し、追加素材、商用利用権などが解放される。
主な用途:イベント告知動画、結婚式・記念日の招待ムービー、プレゼン動画、SNS用の短尺プロモーション。

特徴

 FlexClipは、直感的な操作で動画編集を行えるWebベースのツールです。カットやトリミング、テキスト挿入、BGM追加といった基本機能を備えているほか、あらかじめ作り込まれた雛形動画をテンプレートとして利用できる点も特徴のひとつです。 

FlexClipの強みは、この「編集済みテンプレート」の存在です。

 すでに画像やテキストに動きがつき、BGMも設定されたショートムービーが豊富に用意されており、ユーザーは素材を差し替えたりアニメーションの速度やタイミングを調整するだけで完成度の高い動画を仕上げられます。

 ゼロから動きを付ける必要がなく、完成に近い形から始められるため、初心者にとっても安心して取り組める仕組みといえます。

 FlexClipは海外発のサービスですが、日本語で利用できるテンプレートも多く用意されており、国内ユーザーにとって使いやすい点も魅力です。
結婚式や誕生日といった個人イベント向けの招待ムービーから、企業のプレゼンテーションやSNS向けの告知動画まで、幅広い用途に対応した日本語テンプレートが揃っています。

 こうしたテンプレートには、すでに日本語のテキストボックスや字幕スタイルが組み込まれているため、フォント選びや文字装飾を一から設計する必要がありません。初心者でも自分の言葉に置き換えるだけで自然な日本語動画を仕上げられるため、誰でも安心して利用できる環境が整っている点は大きな魅力です。 

FlexClipのテンプレート構成について

 FlexClipの動画テンプレートは、シーンごとに区切られた短い動画クリップの集合体として構成されています。画面上では、1つの動画テンプレートが複数の「スライド」のような単位で表示され、それぞれに個別の演出やアニメーションがあらかじめ設定されています。

ユーザーは、このシーン単位で
・画像や動画素材の差し替え
・テキストの内容やフォントの変更
・アニメーションの速度やタイミングの調整
を行うことができます。

 この仕組みにより、FlexClipのテンプレートはスライドショーと動画編集の中間的な感覚で扱えるのが特徴です。例えば「一つ目の動画」ではオープニングを、「二つ目の動画」では詳細説明を、といった形で構成を分けることができ、初心者でも自然なストーリーフローを持った映像を作成しやすくなります。

 また、複数のシーンを組み合わせることで、短尺から数分程度の動画まで柔軟に対応できます。これにより、イベント告知やプレゼンテーション、SNS用のプロモーション動画など、多様な用途に応じた編集が可能になります。 

FlexClipまとめ

 FlexClipは、初心者が完成度の高い動画を効率的に制作する上で特に有効なツールといえます。

・テンプレートの充実
 →あらかじめ作り込まれた雛形動画が豊富に用意されており、画像やテキストを差し替えるだけで仕上げられる。
・スライドショー的な構成
 →テンプレートはシーンごとに短い動画で構成されており、ストーリー性のある動画を直感的に作れる。
・操作の簡便さ
 →Webブラウザ上で動作し、インストール不要。基本操作もドラッグ&ドロップ中心で学習コストが低い。
・日本語対応テンプレート
 →海外製サービスながら日本語のテンプレートが多く、国内ユーザーにとっても扱いやすい。

おわりに

 近年は動画制作のハードルが大きく下がり、専門知識や高価なソフトがなくても、誰でも手軽に映像コンテンツを制作できる環境が整っています。本稿で取り上げた CapCut・Canva・Vrew・FlexClip にはそれぞれ異なる強みがあり、初心者でも目的に応じた選択が可能です。

CapCut はSNS動画に特化し、豊富なエフェクトやテンプレートによって短時間でインパクトのある映像を仕上げられます。
Canva はブラウザ完結型で、既存のデザイン資産を活かしながら統一感のある動画を制作でき、チーム利用にも適しています。
Vrew は日本語の文字起こしや台本入力から動画を生成でき、教育・解説分野で特に効果を発揮します。
FlexClip は作り込まれた雛形動画をもとにシーン単位で編集でき、初心者でもストーリー性のある作品を効率的に制作できます。

 これらのツールを活用すれば、デザインの専門知識がなくても、短時間で実用的な動画を制作し、SNS運用や広報活動に役立てることが可能です。
 目的や用途に合ったツールを選ぶことがポイントと言えるでしょう。
 ただし、少し複雑な構成や表現を取り入れたい場合、一つのツールだけでは対応が難しいケースもあるのが実情です。
 当社では、3DCGやアイソメトリックイラスト、ピクトグラム、インフォグラフィックなどのビジュアル表現を組み合わせたアニメーション動画の制作にも対応しております。詳細は当社ウェブサイトにてご案内しておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

関連記事

記事一覧

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
CLOSE