明昌堂クリエイティブレポート
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▲■InDesignバージョンの現況 近年、ソフトウェアの販売形態として多く採用されるサブスクリプション型。その先駆けとも言えるのがAdobeのCreative Cloudです。年間契約をすることで、Adobeアプリケーションのほとんど(DTPアプリだけでなくPremiereなど映像系も含む)が使い放題になります。CS6以降の全バージョンを自由に使える、さらに最新のバージョンもいち早く試すことができるといったことも魅力で、過去に制作したコンテンツを再版、またはデータ流用することが多い出版業界では、パッケージ購入からの切り替えが一気に進みました。 ところが、2019年5月「Adobeが認めた最新版に近いバージョンだけが使える」というルールへの方針変更が発表されました。InDesignに関しては、現在では上位3バージョンしかインストールができないようになっています。 InDesignファイルは、作成されたバージョンと異なるバージョンで開いた場合、組版エンジンの仕様の違いや新たに追加された機能の影響により、文字組の変化やレイアウトの崩れが起きることがあります。こういった理由から、InDesignは上位バージョンでのデータの読み込みは保証されていますが、出力結果が同一であることは保証されていません。そのため、DTPデータは作成したバージョンで作業することが一番安全と言えますが、上述のようなAdobeの方針転換により、過去データのバージョンアップは不可避となっています。 下表は、2019年11月時点での当社の対応状況です。InDesignのそれぞれのバージョンは、作業可能なOSが限られています。特にCS6以前については使用できるMacOSがリリースからすでに年月が経っているため、マシンの老朽化を考えると、元のバージョンのまま作業するための環境を確保することが困難になってきています。また古い作業環境下では、PDF書き出しの際にエラーが出るなど、新たな不具合が発生しやすいこともわかっています。 効率的で安全な作業を行うためにも、現在のOSに合わせてInDesignファイルのバージョンを上げる必要があります。Ver.1.xVer.2.xVer.3.xVer.4.xVer.5.xVer.6.xVer.7.xVer.7.5.xVer.8.xVer.9.xVer.10.xVer.11.xVer.12.xVer.13.xVer.14.xOS8.6〜OS9.2OS9.1〜OS9.2、10.1(Puma)10.2(Jaguar)〜10.4(Tiger)10.2(Jaguar)〜10.4(Tiger)10.4(Tiger)〜10.5(Leopard)10.4(Tiger)〜10.6(Snow Leopard)10.5(Leopard)〜10.6(Snow Leopard)、10.8(Mountain Lion)10.5(Leopard)〜10.6(Snow Leopard)、10.8(Mountain Lion)10.6(Snow Leopard)〜10.9(Mavericks)10.6(Snow Leopard)〜10.9(Mavericks)10.7(Lion)〜10.10(Yosemite)10.9(Mavericks)〜10.11(El Capitan)10.10(Yosemite)〜10.12(Sierra)10.11(El Capitan)〜10.13(High Sierra)10.12(Sierra)〜10.14(Mojave)対応MacOS作業可否バージョンアップ作業不可必須作業可能だが非効率強く推奨作業可能不要1/2Meisho-do Creative Report Vol.50商品名(通称)正式バージョン名InDesign Ver1.0InDesign Ver2.0InDesign CSInDesign CS2InDesign CS3InDesign CS4InDesign CS5InDesign CS5.5InDesign CS6InDesign CCInDesign CC2014InDesign CC2015InDesign CC2017InDesign CC2018InDesign CC2019November 15,2019InDesignの各バージョン対応OS一覧http://www.meisho-do.co.jpInDesignは毎年のように新しいバージョンが発表されています。過去のDTPデータを資産として有効に活用していくために、適宜バージョンアップしていくことが必要です。InDesignのバージョンについて

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