明昌堂クリエイティブレポート
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▲明昌堂クリエイティブレポート Officeアプリについて ■PowerPointデータを図版として使用する Microsoft Officeは、写真や図表を配置するなど簡単なレイアウトもできるため、DTP用の原稿作成ツールとしても一般的に使われています。 近年、特に図版の原稿がPowerPointで入稿されるケースが多くなり、その中には、非常に見栄え良く作成されたデータも少なくありません。それらはPDFに書き出すことによってDTPデータとしてそのまま使用することが可能です。Illustratorで作り直すことに比べ、制作費用を大きく削減できます。 ただし、お客様の制作環境と当社の作業環境の違いにより、PDF化した際、下図のように書体や色調などが変化することがあります。当社ではPDFとPowerPointデータとを照合し、必要な調整を行っています。■Officeアプリに貼られた画像を抽出するOfficeアプリできれいにレイアウトされたデータをDTP原稿として入稿いただく場合、・データをそのまま使用するのか・新たに組み直すのかいずれかの指示が必要です。前者であればOfficeアプリからPDFを書き出し画像扱いとしてInDesignに貼り込みます。後者であれば、画像やテキストを素材として抽出し、InDesignドキュメントとして新たに組み直します。 Officeアプリに貼り込まれている画像を、単純にPhotoshopへコピー&ペーストすることは可能です。しかし、Officeアプリに貼り込んだ際に、画像が変形または拡大・縮小されると、自動的にリサイズされてしまうため、コピー&ペーストで取り出した場合は、オリジナルデータよりも小さな画像であったり、変形された画像が抽出されてしまいます。 そのため、Officeアプリに画像が貼り込まれていても、できるだけその画像のオリジナルデータを一緒に入稿していただけるのが望ましいです。しかし、実際にはオリジナルデータを入手できないというケースも多くあります。そういった場合、当社では以下の2つ方法を使って、Officeアプリのドキュメントからオリジナルと同じ状態の画像データを抽出します。①「Webページとして保存」で書き出す②拡張子を「.zip」にしてXMLに書き出す ①の方法は、WordデータをWebページ(HTML形式)に書き出す機能を利用します。これにより、HTMLファイルにリンクする形となるため、画像データがそれぞれ単体で抽出されます。 ②の方法は、WordのほかExcelやPowerPointなど、Officeのバージョン12(Office2007)以降のデータで使える手法です。それ以前のOfficeは独自のバイナリ形式で記述されていたのですが、バージョン12以降は、XMLで記述された文書と画像をパッケージしzip圧縮したものに変更されました。それらのデータには拡張子末尾に「x」が付けられ「.docx」「.xlsx」「.pptx」と表記されます。この拡張子を「.zip」に変更し解凍RGBからCMYKに変換されたため色調が変化書体が変化1/2http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.36May 02,2017図 PowerPointから書き出されたPDF例ビジネスアプリケーションのスタンダードであるMicrosoft Office。Officeアプリに貼り込まれた画像やPowerPointドキュメントをDTP原稿として使用する方法、およびその注意点について解説します。Microsoft Officeを使用した画像・図版の入稿について

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