明昌堂クリエイティブレポート
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▲1/2 PDF/X-PlusJはX-1aをベースに、より制限を多く設けたものですが、PDF/X3・4はX-1aの発展型といえるもので、いくつかの制限が解放されています。 特にX4は透明を扱えるため注目されています。■将来主流となるPDF規格 現在の主流はPDF/X-1aですが、将来的にはどうなってゆくのでしょうか。PDF/X-PlusJはヨーロッパで評価されている規格を日本版として移行したもので、従来のPDF/X-1aで弱いとされていた画像解像度の再現性やヘアラインの検出等が強化されて、より印刷用としての精度を高めた仕様となっています。現在は『PDF/X-PlusJ推進協議会』によってガイドラインの作成が進められています。プロファイル等の一般化が進めば短期的には有効な規格と思われます。 PDF/X3はPDF/X-1aを発展させたもので、RGBカラーにも対応できます。しかしRGBベースのフローの普及はまだまだ先のことで、この点には魅力があまり感じられません。規格仕様PDF 1.3 仕様PDF 1.3 仕様PDF 1.3 仕様PDF 1.6 仕様・画像やフォント等埋め込み・カラーがCMYKもしくは特色のみ・暗号化禁止・ OPI禁止・線幅についての制限や画像解像度の制限を追加・印刷目的別に9分類の細かい基準・RGBカラーに対応・RGB カラー、Lab カラー、プロセスカラー(CMYK)と特色まで使用可・透明効果を含む・JPEG2000 に対応・レイヤーの保持が可能条件※ここではPDF/X-1a:2001(ISO15930-1:2001)とする※カラーに関しては日本ではJapan Color 2001 Coated プロファイルが通常使用されます。※PDF/X-PlusJ推進協議会により日本仕様のガイドラインを作成中。※2003 年度版では、PDF 1.4 仕様をベースとするように改変。※RIPにPDFを直接解釈処理できるAdobe PDF Print Engine(APPE)が必要http://www.meisho-do.co.jp補足Meisho-do Creative Report Vol.3表1 PDFの規格March 30,2009■PDF/X-1aとは PDF/X-1aは、現在主流となっているPDFの規格ですが、具体的な内容についてあまり知らないまま使われることが多いと思います。 そもそもPDF/X-1aは2001年に作られた印刷用PDFのためのISO統一規格で、PDFの機能から印刷用として適さない(印刷上トラブルを招きやすい)機能を禁じて制限したものです。具体的にはRGBの禁止、フォントの埋め込み、透明禁止の制限等です。 いわばPDF/X-1aは印刷の為の最低限のガイドラインのようなもので、これに適合しても印刷再現の完全な保証とはならず、適合しなくても印刷上必ず問題があるとは限りません。しかし、こうした規格があることによってデータ入稿のフォーマットの統一化が図られるようになりました。■その他のPDF規格 その他PDFの規格には、PDF/X-PlusJやPDF/X3・4などがあります(表1参照)。PDF/X-1aとはどのような規格なのでしょうか。その他にどんな規格があり、PDF/X-1aPDF/X-PlusJPDF/X3PDF/X4PDFの規格といえば現在はPDF/X-1aが主流ですが、それらは今後どのように展開してゆくのでしょうか。PDFの規格について

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