明昌堂クリエイティブレポート
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▲http://www.meisho-do.co.jpJune 25 ,2021May 1 ,2023②▲3つの型式を重ねてみるとほとんど違いはありませんが、わずかにType1のみずれがあるのがわかります。▲元々OpenTypeを使用している箇所ですが、Type1が立ち上がっているとType1として認識されます。そのため文字の位置がわずかにずれてしまっています。OpenTypeType1▲OpenTypeに存在している文字がType1にないため、文字が欠落してしまっています。◀OpenType◀TrueType◀Type1■OpenTypeフォント統一化のお願い このような状況を踏まえ、特にType1フォントのサポートが終了したアプリケーションを使用する場合、当社では以下の対応を取ることにいたしました。❶❶ 当社では新規データを原則OpenTypeのみで作成い当社では新規データを原則OpenTypeのみで作成いたします。たします。 デザイナー様にもお知らせいただき、当社へ入稿するデザインデータも同様にOpenTypeのみで作成するようにしてください。TrueTypeでしか存在しないフォントであればデザインデータ内で使用しても構いませんが、HelveticaやFuturaなど、頻出する欧文フォントについては原則OpenTypeに統一していただくようお願いします。❷入稿いただいたデザインデータにType1が使われて❷入稿いただいたデザインデータにType1が使われている場合、すべてOpenTypeに置き換えます。いる場合、すべてOpenTypeに置き換えます。 TrueTypeも頻出フォントはOpenTypeに置き換えます。OpenTypeが存在しないフォントの場合は、別フォントに変更して再入稿いただくか、当社で類似のOpenTypeに置き換えます。 フォントの置き換えはInDesignの「フォントを検索して置換」機能を使用し、置換処理による大幅な改変が起きないよう配慮して行います。入稿データがすでに文字レイアウト済データ(完全データ)だった場合は、置換によりリフローなどが発生していないか全面検査を行います。❸改訂作業時、元データにType1が使用されている場❸改訂作業時、元データにType1が使用されている場合は、OpenTypeに置き換えます。合は、OpenTypeに置き換えます。 Type1しか存在しないフリーフォント等については、新たにOpenType型式でフォントを作り直したうえで置き換えます。当社がお客様より依頼を受けて過去に作成したType1外字も同様です。置換後には②と同様の検査を行います。 元データのフォント型式をまとめてOpenTypeに置き換えた場合の、より効率的かつ正確な検査手段として、Proof Checkerを使ったデジタル検査があります。ただし、Proof Checkerは処理前後の差分をPDFで比較検査するソフトウェアであるため、Type1がサポートされていないバージョンではPDF書き出しができず、使えません。そのため毎年必ず改訂を行うような商品のデータは、早いうちにOpenTypeへの置き換えを行っておくことをお勧めします。Meisho-do Creative Report Vol.602/2ため、ページによってフォントを立ち上げ直すことになります。その際、元々OpenTypeを使用している箇所にもかかわらずType1が立ち上がり、気付かぬうちにフォント型式が置き換わってしまう現象があることがわかっています。 型式による形状の差異は、下に示す図のように見ただけでは気づかないようなわずかなものですが、この差異によって行送りが変化し、リフロー(文字切れ)が引き起こされることもあります。また、重複使用は文字の欠落、文字化けの原因にもなります。登録文字数や一つのコードに割り当てられている文字が、型式によって異なることがあるためです。 現在のDTP制作環境において、これらの危険を完全に回避する唯一の方法は、同じフォントの異なる型式を重複使用しないことです。サポートが終了するType1だけでなく、TrueTypeも含めて、フォント型式を可能な限りOpenTypeに統一することで事故を防ぐことができます。

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