写真、図版、テキストがデジタルで取り込まれているDTPデータは

コンテンツホルダーにとって有益な「資産」です。

この資産を様々なメディアで活用する方法をご紹介します。

■クロスメディア展開に向けて

 現代の情報発信方法は、紙媒体・Web・電子書籍など多岐に渡ります。ひとつのコンテンツのクロスメディア化をいかに効率良く図っていくか、それが出版社など多くのコンテンツホルダーにとって共通の課題になっています。そういった課題を解決する一つの手段としてCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)があります。しかし、CMSを導入するためには既存のコンテンツのデータベース化が必須です。また、コスト面を考えても簡単に導入できるものではありません。

 当社が主業務として制作しているDTPデータには、「写真」「図版」「テキスト」など様々な素材がデジタルデータとして取り込まれています。今後、クロスメディア展開を図っていくうえでは、これらの素材をいかにプレーンな形で残しておくかが、その後のクロスメディア化において重要になってきます。そのため、当社ではお客様のニーズに合わせた形式で、各種データをDTPデータから抽出・加工するサービスを行っています。

■DTPデータの二次利用方法

 DTPデータの二次利用には、以下のようなものが挙げられます。

1.電子書籍(EPUB)

 DTPデータから電子書籍や電子教材を制作するための確固たるフローは、今現在も確立されていません。InDesignの機能を使えば、DTPデータからEPUBを書き出すことは可能です。しかし、実際にはこの方法で作成したEPUBはその後に調整が必要です。文字が中心の書籍であれば、微調整で済むこともありますが、図や写真が挿入されているような書籍の場合は、当社ではあらかじめ各要素を抽出してから、専用のアプリケーションを使用してEPUBコーディングを行っています。

2.電子教材への転用

 PCやタブレットを使用してインタラクティブに学べる電子教材が増えています。当社では、DTPデータに貼付されている図版からシンプルなアニメーションを作成することも可能です。

 DTPデータから電子教材を制作する場合、PDFをソースデータとして使用することが多いため、校了データをPDF化して保有しておくことをお勧めしています。

3.POD(プリント・オン・デマンド)

 書籍を少部数から製作できるオンデマンド印刷でもPDFデータが使われます。当社ではDTPデータから Amazon POD(プリント・オン・デマンド)に準拠したPDFを作成するサービスを行っています。

3.Webサイトへの転用

 紙媒体の内容をそのままWebサイトで展開するといった例も少なくありません。その際には、DTPデータからプレーンテキストと、Web用に最適化したPNGもしくはJPEG形式の画像データを抽出します。

4.コンテンツDB作成用

 先に述べたように、現在の出版業界ではコンテンツのデータベース(DB)化が課題となっています。DB化するためには、まずはそれらのコンテンツをDBが読み込める形式に落とし込む必要があります。その最も代表的なものがExcelデータです。当社ではDTPデータをDBへ橋渡しをするためのExcelデータ変換を行っております。

■QuarkXPressのデータの再利用

 2000年代初頭まで、DTPレイアウトソフトのスタンダードとして確固たる地位を確立していたのはQuarkXPress(以下QX)でした。しかしInDesignが発売されると、その機能や操作性が評価され、シェアが一気に逆転してしまいました。一部の大手印刷会社ではQXデータの入稿受け付けをすでに取りやめています。そのような状況ですが、実際にはQXで制作された書籍データはまだ多く存在しています。

 QXデータを利用する場合には、当社では2つの方法をお勧めしております。1つ目は「InDesingへのコンバート」です。内容の改訂箇所が少ない場合にはこちらが適しています。しかし、InDesignでQXのデータを開くので、完全に再現できるわけではなりません。また、元のQXデータの作りが複雑であればあるほど、崩れる部分は多くなります。当社では再現精度の高いコンバートを可能にするため、支援ツールを導入し、より効率的に作業を行っています。

 2つ目は「テキストや画像を抽出しInDesignで再作成」することです。改訂箇所が多い場合には、当社でQXデータからテキストや画像を抽出してお渡しします。そのデータを編集していただき再入稿していただきます。こちらの方法の場合、InDesignで組み直すのでデザインを一新することもできますし、コンバートしたものよりデータの信頼性が高くなります。

 また、すぐに改訂の予定はないが、将来その可能性があるといった場合には、今のうちにQXデータをPDF化しておくことをお勧めします。テキストや画像が抽出可能なPDFであれば、改訂が必要になった際にそのPDFから素材データを簡単に取り出すことができます。


 今回ここでご紹介したのはあくまで一例です。お客様の用途に合わせ、DTPデータをどのように二次利用するのがベストか、またあらかじめ二次利用が決まっている場合はどのようにDTPデータを作成したらよいか、ご提案させていただきます。当社担当営業までお気軽にお問い合わせください。

電子書籍やオンデマンド印刷へ展開
Webサイトへ展開
コンテンツデータベースへ展開
QXからInDesignで再作成

❶フォント形式の違い

QXではCIDもしくはOCFが使われているため、OTF環境ではフォントが正しく認識されない。

❷RGB色の混入

RGBの白が自動的に混入するため、置き換える必要がある。

❸文字組版設定の乱れ

組版エンジンが違うため、設定を置き換える必要がある。

❹ページサイズの乱れ

ページサイズの設定に微妙な誤差が発生することがある。

❺配置画像の比率の乱れ

画像の貼込比率が変わることがある。

❻グラデーションの乱れ

グラデーションの方向が変わることがある。

❼罫線などのオブジェクトの乱れ

罫線の設定や角Rの設定が変わることがある。

QXデータをInDesignで開いた際に起こる不具合