明昌堂クリエイティブレポート
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2/2▲http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.3March 30,2009 PDF/X4は、RGBはもとより透明効果を含むことができます。透明効果に対応したことで、現在多発している「PDFの透明の分割・統合処理時のトラブル」を一挙に解決できるのではないかと期待されています。しかし、この透明効果を含んだPDFは、RIPに最新のコアであるAPPE(表1参照)が搭載されていないと出力できないので、現段階ではまだまだ周辺環境が整っているとは言えません。 こうした現状を踏まえてみると、X4以上の透明効果に対応したRIPが標準として業界に浸透するまでは、PDF/X-1aをメインとして複数の規格が混在する状況がしばらく続くと予想されます。■現在のPDF環境を取り巻く問題点 当社での実際の業務において最も問題となっているのが、「透明の分割・統合時のトラブル」です。 近年はInDesignの普及もあり、より表現性を高めるため、データに透明効果が付加されることが多くなってきました。しかし、PDFの主流規格であるPDF/X-1aは透明に対応していない為、擬似的に透明に見せるための分割・統合という処理が行われます。この分割・統合時に、近くの文字が太る・潰れる・部品が欠けるなど、実に様々なトラブルが過去に発生しています。実際、当社でのPDFトラブルは、かなりの割合で透明効果がその原因となっていました(表2参照)。 将来的な展望としては、PDFからデータ、貼り込み画像まですべてネイティブ化し、透明効果を最初から最後まで保持したままのフローを確立するのが理想と言えます。メーカーであるAdobeサイドでは、すでにそうした方向性(脱PostScrip)に開発指針を定めているようです。 しかし、現在のような脱PostScrip過渡期において、先に述べた分割・統合トラブルを回避する為にPost Scripファイルへの書き出しが必要になるという、時代の流れに逆行した現象も起きています。メーカーの指針は脱PS化なのに現場では品質保持のためにPS化、というベクトルの不一致が気になるところです。 また、実際の業務では過去データを流用するケースが多いのですが、その際に過去のPost Scripの混じったデータがあると、透明保持の優位性が失われてしまうことになります。過去データをネイティブにコンバートするというのも非現実的です。この点に今後どのように対処していくのかも課題の一つとなっています。■当社のPDFフロー 当社では、PDF作成を含む一連の工程を一定の範囲内で徹底的に自動化してコンパクトにパッケージし、必要に応じて適用する形をとっています。本のジャンルによって作業内容、データ形式が大きく異なるため、全体的なワークフローを固めるより、状況に応じてフレキシブルに変更可能な柔軟性を持った個々のフローを組み合わせることで、徹底した効率化を追求しています。 具体的には、フロー処理にFullSwitch*1を導入、PDF処理にはPitStop*2を使用し、ネイティブから自動単ページPDF生成などを行い、Certied PDF*3にも対応した環境となっています。■今後の対応 X-1aやX3・4などはあくまで「PDFの規格」であり、実際の印刷物の仕上がりは最終的なRIP環境に左右されます。しかし、今後もPDF/Xの系統を中心にワークフローのPDF化が展開していくのは間違いありません。表2 透明の統合分割によるトラブル事例トラブル事例原因対処法透明機能を使った箇所の近くの文字の一部が黒く潰れてしまった。透明の統合・分割時のエラーPS書き出しからのPDF作成、もしくは該当テキストのレイヤー分け透明機能を使ったMAP図版のみ縦組の文字に文字欠けが発生透明の統合・分割時のエラーPS書き出しからのPDF作成回転のかかったドロップシャドウ(透明機能)をかけた文字が欠ける透明の統合・分割時のエラーPS書き出しからのPDF作成※1 EnFocus社の自動処理ワークフローソフト※2 EnFocus社のPDF修正&プリフライトツール※3 通常のPDFに管理情報を付加したものネイティブから単ページPDF作成の完全自動化FullSwitch・プリフライト・指定の規格への変換・プロファイル情報、プリフライトレポートの付加PitStopより信頼性の高いPDF

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