明昌堂クリエイティブレポート
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■■「JIS2004」字形対応フォント モリサワやフォントワークスをはじめ、主要なフォントメーカーから「JIS90」字形に対応したフォントと「JIS2004」字形に対応した2種類のフォントが発売されています。現行のOpenTypeフォントは基本的に「JIS90」字形を採用しています。「JIS2004」字形とは、従来の「JIS90」から168文字の例示字形※が変更されたものです。この168文字の中には、字体は同一で字形は異なるもの(茨と■など)、字形そのものが異なるもの(辻と■など)も含まれていいます。これらは従来のフォント名の末尾に「N」が付いており「Nフォント」と呼ばれています。例)A-OTFリュウミンPro6N 今後は、より新しい規格のNフォントが主流になると言われています。しかし、問題も残されています。原稿を作成する著者や編集者の多くはWindows環境で作業をしています。同じWindows環境でもXPに搭載されているフォントは「JIS90」で、Vista以降は「JIS2004」となっているため、開く環境によっては字形が変わってしまう恐れがあります。当然、DTPの現場でも同じようなことが発生します。Windows XPで入力した場合の字形使用した場合 左下の図のようにWindowsVista以降で入力した原稿を、DTP側でレイアウトソフトに取り込んだ際に、「JIS90」字形のフォントを使用すると、字形が変わってしまいます。逆も同じことが言えます。 この字形の違いは、国語や漢字検定などの教材では特に重要なことです。そのため、入稿時にテキスト原稿の入力環境をDTP側に伝達することが、字形のトラブルを回避するためのポイントになります。通常、弊社はWindowsXPでテキスト入力し、「JIS90」字形フォントでDTP制作を行っております。※:JISの規格票に示されている字形のこと・JIS2004で変更された例示字形の一部■常改フォントについて 日常的によく使われる漢字をまとめた常用漢字表が2010年に改定されました。それを受け、文字の追加や字形の変更を行ったのが、モリサワの「学参常改」フォントです。下図のように、改定常用漢字表にならった字体に変更されています。Windows Vista以降で入力した場合の字形■飾の■の■DTPで通常のフォントを使用した場合1/1http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.10字形が変わっている!字形が変わっている!字形が変わっている!September 1,2011■飾の■の■DTPでNフォントを葛と煎茶、箸籠餅学参 教科書体ICA M ■と■茶、■籠餅学参 常改教科書体ICA M 各フォントメーカーから発売されている「Nフォント」とは?そして、モリサワからは学参常改フォントというものも登場しています。葛飾の飴の噂これらのフォントの用途や注意事項について解説します。葛飾の飴の噂モリサワ学参常改フォントについて「JIS2004」対応フォントと

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