明昌堂クリエイティブレポート
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▲May 25 ,2022 雑誌書籍、その他あらゆる印刷物において、文字情報は最も基本的な構成要素の一つです。当社の創業当時は、原稿用紙に手書きされた文字原稿をお客様から受け取るのが当たり前でしたが、現在では文字情報はテキストデータとして入稿いただくのが一般的です。 テキストデータは作成環境によって多くの形式が存在しており、その中には文章情報だけでなく書体や色などの文字スタイルや、ルビ等の組指定の情報が含まれている場合もあります。 当社は文字情報を扱うプロフェッショナルとして、テキストデータをより効率的、かつ作成者の意図通りにDTP組版に反映させる方法を常に追求しています。そのような事例をいくつかご紹介します。    一太郎で支給されたテキストデータの処理事例1 日本語ワープロソフトとして一定の人気を持つ一太郎。特に教育書などの原稿制作に現在も広く使用されているようです。 しかし、一太郎のデータはInDesignに取り込むことができません。そのため、一太郎のデータを一旦Word形式に変換してからInDesignに取り込むという方法が用いられますが、一太郎のルビ機能が使われている場合、Wordに変換した時点では問題がなくても、InDesignに取り込んだ際にルビの親文字が欠落するなどのトラブルが起きることが報告されています。 当社では、まずWord形式に変換した段階でマクロを使ってルビをタグ付きテキストに変換、それをInDesignに取り込んでから、スクリプトを使ってタグをルビに戻すという処理を行うことでトラブルを回避しました。また、一太郎のルビがすべてグループルビになっていたため、当社のルビ入力支援ソフトを使い、モノルビへの変換も行っています。WordデータをInDesignに配置後。1行目の浅草寺の「浅」や、3行目の三日月の「三」などが飛んでしまっています。Wordのマクロを用いてルビをタグ付きテキストに変換。それをInDesignに取り込んでからスクリプトでルビに変換した。1/2http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.67プレーンテキスト、Word、一太郎、PDFなど、テキストデータには多くの形式があります。入稿したテキストを様々な方法で加工し効率的にDTP組版を行っている事例を紹介します。多様なテキストデータの利用事例

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