明昌堂クリエイティブレポート
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▲1/2April 12 ,2022■ペーパーレス、オンラインのメリット カーボン・オフセットやSDGsなどの環境問題が関心を集める今日、業務のペーパーレス化も加速しています。また、新型コロナウイルスの影響で働き方が多様化し、テレワークやシェアオフィスが普及しました。SlackやTeamsなどビジネスチャットを導入する企業が増え、出社しなくても社内と同じように仕事ができる環境が整っています。 出版業界においても編集業務のペーパーレス、オンライン化により、以下のような効果が期待できます。・プリント経費削減、環境に優しい ・自宅やシェアオフィス、遠隔地でも作業できる・複数の人間が校正紙を同時に閲覧できる・校正の履歴が確認できる■ペーパーレス化の問題点 ペーパーレス化には同時にデメリットもあります。実物の校正紙がないことによる問題としては、正確な色調確認ができないことです。ディスプレイの色味は周りの環境光や設定により異なります。写真の色味確認を行う場合は、やはり必要に応じてカラーマネジメント済みのプリントやインクジェットDDCP、本紙色校正を取ることをお勧めします。 また、書籍全体を通してノンブル等の体裁が揃っているか確認するのには、ディスプレイよりも紙の校正紙が向いています。当社ではページが通った段階でプレシップ検査(MCR Vol.61参照)を実施し、ノンブルや柱、インデックス等の位置が正しいか、編集者にかわって確認しています。 加えてオンライン化にはセキュリティ面の懸念があります。企業のイントラネット内であれば、ある程度のセキュリティが担保されますが、自宅のネットワークはその限りではないため、データ消失や情報漏洩等のリスクに常に備えておく必要があります。なるべくPDF等を個人端末にダウンロードせず、オンライン上で校正を完結させるシステムが安全です。 現在、様々なオンライン校正システムがリリースされていますが、中には導入コストやランニングコストの負担が大きいもの、必要以上に多機能でかえって使い勝手が悪いものもあり、どのサービスを選ぶかも問題のひとつかもしれません。 裏面ではオンライン化に必要な基本設備と標準的なワークフロー、また当社のオンライン校正サービスについてもご紹介します。iPadとApplePencilを使った自宅での作業イメージ大型の液晶タブレットを活用したペーパーレス作業環境http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.66最低限どのような機器やソフトウェアが必要なのか解説します。また当社のオンラインサービスについてもご案内します。出版編集業務のペーパーレス化を進めるにあたって編集業務のペーパーレス化について

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